位置情報データ、GISデータ、GPSデータ、モビリティデータの違いと活用事例
位置情報に関するデータにはさまざまな種類があり、それぞれ取得方法や活用のされ方が異なります。この記事では、「位置情報データ」「モビリティデータ」「GPSデータ」「基地局データ」「GISデータ」「WiFiアクセスポイントデータ」について、それぞれの特徴や違い、具体的な活用事例を交えてわかりやすく解説します。
位置情報データとは?
位置情報データとは、人やモノの現在地や移動経路を示すデータの総称です。スマートフォンのGPS機能を利用して現在地を取得したり、アプリ上でチェックインを記録したりする際に生成されます。多くのサービスで位置情報が活用されており、地図アプリでのナビゲーションや位置に応じたクーポン配信などに利用されています。
例
- Google マップでの現在地表示
- 飲食店アプリで近くの店舗をレコメンド
モビリティデータとは?
モビリティデータは、位置情報に時間の要素が加わったもので、人や車両などの移動経路や速度、滞在時間などを記録したものです。都市の交通流の把握、観光客の動線分析、災害時の避難行動分析などに広く使われています。
例
- 大型イベント時の人の流れの可視化
- 公共交通機関のダイヤ最適化
GPSデータとは?
GPSデータは、アメリカの衛星測位システムであるGPS(Global Positioning System)を利用して取得される位置情報です。緯度・経度・高度といった座標情報を高精度で取得できるため、登山や運送業、スポーツ、測量など、精度を求められる場面で広く活用されています。
例
- 登山中の現在地確認(登山アプリ)
- トラックの走行ルート管理
基地局データとは?
基地局データは、携帯電話が接続している通信基地局の位置情報を基に取得されます。GPSほどの精度はありませんが、広い範囲で大まかな位置を取得することができ、屋内や地下などGPSが届きにくい場所でも活用されます。
例
- 災害時の人流の大まかな把握
- 通勤圏の分析(駅の乗降データと組み合わせ)
GISデータとは?
GIS(Geographic Information System)データは、地理的な情報をデジタルで管理・分析するためのシステムで使われるデータです。土地の利用状況、建物、道路、河川などの空間情報が含まれ、都市計画、環境保全、防災などの分野で活用されます。
例
- 土地の用途地域の可視化(住宅地、商業地など)
- 災害リスクマップの作成
WiFiアクセスポイントデータとは?
街中を歩いているときに、スマホの通信料を節約しようとしてフリーWiFiを利用することがあるかと思います。そのようなWiFiアクセスポイントの位置情報を集めたデータも、位置推定や人の動きの分析に活用されます。
以下の画像は、東京都内のフリーWiFiスポットの分布を示したマップです。点の密度が高いエリアでは、公共WiFiが多く整備されていることがわかります。
また、WiFiデータの活用例として、公共空間の滞在状況の把握や、施設内での人流分析なども挙げられます。
例
- 商業施設内での顧客の動きの把握
- 空港や駅での滞在エリア分析
オープンデータの活用例
例えば、以下のリンク先からは、東京都内の放置自転車に関するデータを無料で取得することができます。
東京都内の放置自転車データ(2015年) – esrij.com
このデータを用いて、以下のような可視化が可能です。マップ上に点として表示されているのが、各地点の放置自転車の記録になります。
こうしたオープンデータは、位置情報分析の入門としても最適です。
各データの比較表
| データ種別 | 主な取得方法 | 精度 | 主な活用例 |
|---|---|---|---|
| GPSデータ | 衛星測位 | 高 | ナビ、物流、登山 |
| 基地局データ | 通信基地局 | 中 | 災害対策、人流分析 |
| WiFiデータ | アクセスポイント | 高(屋内) | 商業施設分析 |
| モビリティデータ | スマホ等の移動履歴 | 中〜高 | 観光分析、交通最適化 |
| GISデータ | 地理情報の統合 | — | 都市計画、防災 |
最新動向と展望
近年では、IoTデバイスの普及により、これらの位置情報データがリアルタイムで収集・解析されるようになっています。スマートシティの取り組みでは、交通渋滞の緩和やエネルギー消費の最適化に活用されるなど、ますます多様な分野での応用が進んでいます。
例えば、街路灯やゴミ収集車にGPSを搭載することで、地域の安全や効率的な運営に役立てる事例も登場しています。
まとめ
位置情報データは、私たちの生活や社会のさまざまな場面で活用されています。データの種類ごとに特性や用途が異なるため、目的に応じて適切なデータを選び、組み合わせることで、より有用な分析が可能になります。
この記事が、各データの違いや活用方法を理解する手助けになれば幸いです。
※この記事に関するご意見・ご感想は、お問い合わせページまたはコメント欄よりお気軽にお寄せください。
